2008年1月14日月曜日

吉田警視、免職含めた懲戒処分検討

吉田警視、免職含めた懲戒処分検討 神世界事件で県警

 (朝日)神奈川県警前警備課長の吉田澄雄警視(52)が関与した疑いがある有限会社「神世界(しんせかい)」の霊感商法事件に絡み、県警は複数の問題行動を累積した形で、吉田警視を免職を含めた懲戒処分とする方向で検討を進めている。詐欺容疑で家宅捜索を受けたマンションの名義人になったり、勤務中に神世界系列のサロンを手伝って報酬を得ていたりしたことなどを総合的に判断する。公務員は通常、最も重大な問題行動で処分されるが、累積での処分となると、極めて異例だ。

 県警はこれまで、警察官が逮捕された事件などで、起訴と同時に懲戒免職とするなどの処分をしてきた。県警が今回、捜査に先行する形で吉田警視の処分を検討するのは、神世界グループの全容解明の長期化が予想されるからという。

 問題発覚を受け、県警は12月20日付で吉田警視を警備部付に異動させた。一方で、「警備部付で宙に浮いた状態を続け、給料を払い続けるのが妥当なのか」(県警幹部)との指摘もある。
 県警の調べで、吉田警視の問題行動が次々に発覚している。

 吉田警視は、詐欺容疑で家宅捜索を受けた、神世界傘下の有限会社「E2(イー・スクエア)」や「びびっととうきょう・青山サロン」がある東京都港区の賃貸マンションの名義人や連帯保証人になっていたほか、05年冬ごろからサロンの会計を手伝い、報酬として、E社側から月数万円~十数万円、計240万円ほどが振り込まれたという。

 勤務を抜け出してサロンに出入りし、都内の銀行でE社口座の入金状況を確認していたことも判明。部下ら3人をサロンに勧誘し、700万円を支払った警察官もいた。

 県警は、吉田警視のサロンとのかかわりが、報酬を得て営利企業の事業に携わることなどを禁じた地方公務員法に抵触するとみて、詰めの捜査を進めている。ただ、警察の処分基準では、それぞれの単独の問題行動では、免職などの重い処分には該当しない。このため県警は、厳重処分を視野に、吉田警視がした複数の問題行動を累積した形で処分を検討しているという。

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