2008年1月7日月曜日

参院議員、自民・民主の資産差拡大

参院議員、自民・民主の資産差拡大 平均は2378万円 

 (朝日)昨年7月の参院選で当選した参院議員の資産が7日、公開された。朝日新聞社の集計によると、資産の平均は2378万円で、前回公開された05年より9%減り、93年の公開制度開始以来、最低を更新した。民主党議員の平均資産は42%も減って過去最低。一方、自民党は46%増え、両党の「資産格差」が拡大した。民主が大勝した参院選で、同党の候補は資産の有無にかかわらず幅広く当選したのに対し、自民では資金力が弱い候補が勝ち抜くのは難しかったとの見方が出ている。

 公開されたのは当選した121人のうち、9月に辞職した小林温氏を除く120人。朝日新聞社が預貯金などの総額と、土地、建物の固定資産税課税標準額を合計し、各議員の資産を算出。当選時の政党で分類した。
 民主の平均資産1386万円に対し、自民は4661万円で、3.36倍の差があった。99年の公開では4.09倍だったのが、02年は1.68倍、05年は1.33倍と次第に差が縮まっていたが、今回その流れが変わった。他の政党では、国民新が最も多く4846万円。次いで新党日本1105万円、公明1048万円、社民954万円、共産420万円。無所属は1566万円だった。

 民主、自民の差が開いた理由について、成田憲彦・駿河台大学長(日本政治論)は「民主は追い風で『普通の人』が多く当選し、資産額が下がった。大敗した自民は昔ながらの『地盤』や『カバン』(資金)のある人が通り、額が上昇した」と指摘する。岩井奉信・日大法学部教授(政治学)も「資金面では、民主は党中心、自民は個人中心の選挙をする。自民は派閥から来るカネも少なくなり、生き残ったのがお金持ちだったのではないか」という。

 実際、自民では、当選者の資産は落選者より多そうだ。当選した前職19人の平均は5581万円で、落選した前職23人の02年公開での平均3664万円を2000万円近く上回った。
 自民は初当選を果たした新顔の資産も多い。17人の平均は3714万円で、05年公開での初当選組の2371万円を大きく上回る。資産額上位20人にも、自民初当選組が6人並ぶ。2位の長谷川大紋、9位の石井準一、11位の牧野京夫の3氏はともに元県議で、広大な山林などを所有。テレビにも出演する弁護士の丸山和也氏も13位だった。

 一方、民主は当選した前職22人のうち13人が02年公開時より資産を減らしていた。
 選挙のために資産が減ったという議員も少なくない。02年は985万円の預貯金があった平野達男氏(岩手)は今回はゼロ。昨年、参院選と岩手県知事選、衆院補選などが重なり、多額の費用がかかったという。初当選した水戸将史氏(神奈川)は預金100万円。2月から始めた選挙準備に1億円弱かかり、「普通預金も使い果たし、親族から借金してしのいだ」と話す。

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