2008年2月20日水曜日

旧長銀経営陣の有罪判決見直しへ 

旧長銀経営陣の有罪判決見直しへ 最高裁が弁論期日

 (朝日)98年に経営破綻(はたん)した旧日本長期信用銀行(現・新生銀行)の粉飾決算事件で、証券取引法違反と商法違反の罪に問われた大野木克信・元頭取(71)ら3人について、最高裁第二小法廷(中川了滋裁判長)は上告審の弁論を4月21日に開くことを決めた。最高裁が結論を見直すのに必要な弁論を開くことから、3人をいずれも執行猶予付きの有罪とした一、二審判決が、被告に有利な方向で見直される見通しとなった。

 旧長銀には債務の穴埋めなどのために巨額の公的資金がつぎ込まれた。「国策」として行われた旧経営陣の刑事責任追及は、東京地検特捜部が中心となって進められた。

 弁論が開かれるのは大野木元頭取のほか、元副頭取の須田正己被告(68)、鈴木克治被告(70)。一審・東京地裁と二審・東京高裁はともに大野木元頭取を懲役3年執行猶予4年、須田、鈴木両元副頭取を懲役2年執行猶予3年とした。

 二審判決は、当時の大蔵省が97年に出した資産査定の基準に従う「公正なる会計慣行」から大きく逸脱する会計処理は許されないと判断した。最高裁はこの部分を見直すとみられる。
 同じく破綻した旧日本債券信用銀行(現・あおぞら銀行)をめぐっても、旧経営陣が刑事裁判で一、二審とも有罪とされ、上告中。旧長銀事件と争点が重なっており、今回の判決見直しは旧日債銀事件の行方にも影響を及ぼしそうだ。

 一方、整理回収機構が大野木元頭取らに同じ決算をめぐって損害賠償を求めた民事訴訟では、逆に一、二審とも「97年の大蔵省の基準は唯一の会計慣行といえない」とし、刑事裁判と判断が分かれている。民事訴訟では機構側が上告中だ。

0 件のコメント: