2008年2月2日土曜日

年金保険「11年未納はミス」弁護士、取消訴訟提訴

年金保険金「11年未納はミス」 弁護士、却下求め提訴

 (朝日)国民年金の保険料を未納とされたのは社会保険庁のずさんな事務処理のためだとして、大阪弁護士会所属の谷沢忠彦弁護士(66)=奈良市=が国を相手取り、1975年まで11年間分の未納確認処分を取り消すよう求める行政訴訟を大阪地裁に起こした。社保庁によると、5000万件の「宙に浮いた」年金記録問題が発覚した昨年2月以降、提訴に発展した例は確認できる限り初めてという。

 訴えによると、谷沢弁護士は大学を卒業した64年3月に国民年金に加入し、学校法人理事に就いて私学共済に切り替える前月の89年3月まで、国民年金保険料を支払った。だが06年4月、奈良社会保険事務所で年金記録を確認したところ、母親(故人)が代理で支払っていた64年3月から、弁護士開業後に自分で払い始める前月の75年3月までの分が未納扱いになっていると伝えられた。

 昨年7月には「母からきちんと払っていたと聞いた」として国の年金記録確認第三者委員会に審査を申し立てたが、「領収書や支払いを示す家計簿がなければ認められない」と却下され、先月28日に提訴した。

 谷沢弁護士は未納とされた期間に3府県で4回転居したという。「各地の社会保険事務所が引き継がず、年金記録を失った可能性が高い。30年以上も前の証拠を出せという国の姿勢をただしたい」と話す。

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