2008年3月6日木曜日

殺人放火無罪、同房の女性「犯行告白」再三報告

殺人放火無罪、同房の女性「犯行告白」再三報告 北九州

 (朝日)北九州市八幡西区で04年3月、無職古賀俊一さん(当時58)方が全焼し、刺し傷のある古賀さんの遺体が見つかった事件で、妹の片岸みつ子被告(60)に5日、殺人と非現住建造物等放火について無罪が言い渡された。裁判で争点となったのは、留置場で同房だった女性(25)が片岸被告から聞いたとされる「犯行告白」。福岡地裁小倉支部の判決は、その任意性と信用性に疑問を示した。

 判決によると、窃盗容疑で逮捕された女性が福岡県警北九州水上署の留置場で、被告と一緒になったのは04年6月18日だった。

 翌日、県警の捜査員は女性から、その事実を聞いた。26日、殺人放火事件を担当していた特捜班の捜査員が女性を事情聴取。「兄を殺すつもりで殺したわけじゃない」。被告がこう話していたと女性は述べ、後日、供述調書も作られた。

 2人は24日まで同じ房で過ごした後、女性が再逮捕されたのを機に7月15日~9月27日、八幡西署で再び同房になった。計約3カ月間、ほとんどを2人だけで過ごした。

 女性は、起訴後も取り調べを受けたが、自身の起訴事実や余罪の調べは4日間だけ。多くは被告に関する聴取に充てられた。「また頑張りましたよ。片岸さんから聞いた話をメモに書いています」。8月9日、女性は取調室に入るなり、捜査員に切り出した。「殺人で逮捕されたらどうするんですか」「完全黙秘して否認するよ」などの会話のやりとりを書いたメモを渡したという。
 
 こうした手法について判決は、代用監獄の身柄拘束を捜査に利用した▽同房者が捜査機関に迎合する恐れがある――などと指摘し、証拠能力を認めなかった。
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 片岸被告は判決後の5日午後、福岡地検小倉支部を訪ねた。同行した弁護士らが、控訴しないよう求める要請書を提出した。判決後の集会で片岸被告は「屈辱、恥辱の年月を過ごした。犯人を作り上げる怖さを知り、生きた心地がしない」と振り返り、「兄を殺害した真犯人を見つけ出してほしい」と訴えた。

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